『ムーラン』ディズニーや主演女優への批判やボイコットはなぜ?その理由をわかりやすく解説!

ディズニー映画『ムーラン』、SNSで批判やボイコットの声続出、なぜ?

2020年9月4日より、ディズニーの動画配信サービス、ディズニープラスで日本でも配信公開が開始されたディズニーの最新映画『ムーラン』。以前本ブログでも映画の視聴方法をまとめた記事を投稿しましたが、現在その映画『ムーラン』に対し、SNS上で「#BoycottMulan」、「#BanMulan」といったハッシュタグを用いた批判やボイコットの声が続出しています。今回はその理由と背景について、わかりやすくまとめていきたいと思います。

主演女優が香港の反政府デモに対応する警察を支持

今回、映画に対して反発が起きているのには、大きく2つの要因があるのですが、まずひとつめは、主演のムーラン役の女優、リウ・イーフェイさんが、香港で起こっている反政府デモに対して、自身のSNSで警察の対応を支持したことにあります。

新疆ウイグル自治区で撮影が行われた

そして、ふたつめは、映画の撮影が中国の新疆ウイグル自治区にて行われたことが、映画のエンドクレジットにて発覚したことにあります。エンドクレジットにて新疆ウイグル自治区の複数の政府機関に対し撮影協力の感謝の意を表しているとして、反発が起こっています。

香港の反政府デモ、何が問題?

では、これら2つの事案は、何が問題なのでしょうか?まず、主演女優、リウ・イーフェイさんが香港の反政府デモに対する警察の対応を支持したことについてです。香港では、2019年6月ごろから犯罪容疑者を中国本土へ引き渡しすることを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモが多発しています。香港は「香港特別行政区基本法」などによって中国本土にはない自由があり、今回の「逃亡犯条例」は香港の民主化・自由を奪いかねないものだとして反発するデモが起こっているんですね。これらのデモで、警察がデモ隊を排除しようとする動きの中、2019年11月には初めて死者が出る事態にまで発展しました。その後、警察官が丸腰のデモ隊への発砲を行う等、デモ隊と警察との衝突が市内各地で起こるようになりました。警察もデモ隊も暴力の激しさが増す中で、『ムーラン』主演女優のリウ・イーフェイさんは自身のSNS(Weibo)にて、香港警察を支持する旨のコメントを残し、注目を集め、主に香港民主化を支持する人々によって映画『ムーラン』のボイコット運動に発展しました。

Calls To Boycott The New “Mulan” After Its Star Spoke In Support Of Hong Kong Police より

新疆ウイグル自治区での撮影、何が問題?

もう一つは、中国の新疆ウイグル自治区で撮影が行われていたことについてです。イスラム系の少数民族であるウイグル人をはじめとした民族が暮らす新疆ウイグル自治区では、ウイグル人やカザフ人に対して、収容所への強制連行や不妊手術の強要、強制労働、信仰の規制等、人権を侵害する弾圧が政府機関によって行われていると言われており、エンドクレジットにて、新疆ウイグル自治区の政府機関に対して謝意が表明されることで、主に人権団体等から「ディズニー(アメリカ)は、人権を侵害する団体に対して謝意を示し、支持している」といった論争が巻き起こることとなりました。

まとめ

こうして心待ちにしていた人が多くいるエンターテインメントが政治的な問題に発展してしまうことは複雑な気持ちになります。ここでリウ・イーフェイさんの発言や新疆ウイグル自治区問題について私の考えを言及することは避けますが、世界で起こっている様々な問題に目を向けるいい機会になったとも言えるし、純粋にエンターテイメントとして『ムーラン』を楽しみたい、と思う少し悲しい気持ちもあります。みなさんも一度、この問題と向き合って、エンターテイメントと政治の関係性を考えるきっかけになればよいと思い、記事にしました。そのうえで、映画『ムーラン』を観るのも、ボイコットしたい、と考えるのも、個人の自由だと私は思っています。

参考:

『ムーラン』に再びボイコットの声 新疆での撮影判明

リウ・イーフェイの発言に再び注目集まる…『ムーラン』ボイコット運動が香港、台湾、タイで展開

【解説】 なぜ香港でデモが? 知っておくべき背景
香港デモ隊と警察がもう暴力を止められない理由

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